道内各地の冬の安全と安心を支える北海道機販のSE

北海道の冬といえば、まず思い浮かぶのは“雪”だろう。
例年11月頃から雪が降り始め、根雪は4月頃まで残る。およそ半年の間が冬期となる計算だ。
そんな“雪国”北海道の歩行は、凍った路面での転倒や積雪によるスリップなど常に危険が潜んでおり、旅行者のみならず住民でさえもかなり気を使う。

“雪国”北海道の冬道は歩行にかなり気を使う

しかし特定の場所では雪や氷が溶けて路面が現れ、歩きやすくなっている道や駐車場などがあることに気がつくはずだ。

それはなぜか?「ロードヒーティング」が敷設されているのである。

敷き詰められたロードヒーティングケーブル

ロードヒーティングが導入されているところでは除雪も不要で、除排雪時の交通障害なども解消される。北海道の冬には無くてはならない存在の一つだ。
そんな「ロードヒーティング」の敷設工事を担うのが「北海道機販 営業統括部 SE部」である。
《 SE=Systems Engineer(システムエンジニア)の略 》

今回は、道内各地で冬の安全と安心を支える「ロードヒーティングのエキスパート」遠藤高広の仕事をご紹介。

営業統括部 SE部 遠藤高広

電熱式ロードヒーティングの特徴

ロードヒーティングは、1987年にスパイクタイヤの使用を規制する条例を政府が施行したことを受け、1988年頃より徐々に普及し始めた。
北海道機販ではこの頃からメーカーと一緒にヒーティングシステムを拡販し、札幌駅前や札幌市街中心部をはじめ、道内各地に数多くの施工実績がある。

電熱式のロードヒーティングは、電熱線を“すだれ状”に編むことでシート形状のユニットにしたもので、主要部材はヒーティングユニット、センサーおよび制御器などで構成されている。

ヒーティングユニットと制御盤

その主な特徴は

  • エネルギー源として電気を用いており環境にも優しく操作も簡単、メンテナンスフリー
  • 熱源として耐久性に優れたヒーティングケーブルをユニット化して使用、長寿命で敷設工事も容易

といった点が挙げられる。
電熱式ロードヒーティングは地球環境にも優しいエコなシステムといえる。

ロードヒーティング一筋20年の“エキスパート”遠藤

ロードヒーティングの工事を入社以来20年に渡って専門で担当しているのが遠藤だ。

「北海道機販に入社した時はかなり年の離れた先輩の下に付いたんですけど、当時は手取り足取り教えてもらえる雰囲気でもなくて、仕事は俺の背中を見て盗め、みたいな感じで(笑)
だからパートナー会社さんに面倒見てもらってロードヒーティングの仕事を覚えましたね」

北海道機販が施工してきたロードヒーティング現場の一端

遠藤はこれら多くの現場でパートナー会社と一緒になってロードヒーティングの施工実績を積み上げてきた。

現場でパートナー会社と打ち合わせる遠藤

図面を超えたモノづくり

北海道機販で施工するロードヒーティングは、“道路”の図面に合わせて遠藤がシステムの構成や仕様をお客様と打ち合わせて決定し、設計から現地施工まで一貫して行う。
現場での施工管理の他に

  • 配線系統の決定
  • 分岐回路の決定
  • 電圧降下の計算
  • ヒーティング配線図の作成
  • 現場書類の作成

などが事務所での遠藤の仕事となる。

遠藤が描いたロードヒーティングの平面図

事務所で営業と打ち合わせをする遠藤

「工事が決まると、まず先に“現場”を見に行きます。道路図面が実際の現場と違ってないか確認が必要なので。
図面は二次元の世界だから、三次元、リアルの世界では図面に描かれていない省略されている箇所が必ず何かしら隠れているんですよ。
これは事務所で図面を見ているだけでは決して見えないんです」

これはどういうことか?
例えば、図面では制御盤にリード線を入れる配管があるはずが、現場ではそれが見当たらない。
では、どこにあったか?何と配管がアスファルトで埋められていたこともあるという。

アスファルトに埋められていた配管

「施工の現場で図面と食い違いがあると、その場で対応策を考えてパートナー会社に指示することになるから…、準備していた段取りも変わって大幅な時間ロスになることもあるんです。
ロードヒーティングの工事は人や車の通行を遮断する必要があるので、多くが夜間工事で限られた時間で施工するから時間は貴重です。
タイムロスは出来るだけ避けたいし、だからまず現場を見に行きます。図面では見えない“現場”にある答えを探しに」

“エキスパート”遠藤による図面を超えたモノづくりがここにある。

北海道機販 SE部のマインド

「自分一人でできることなんて、たかが知れています」

北海道機販 SE部の人間が皆、口を揃えていう言葉だ。
水道やダム、情報ネットワークなど、担当ごとに専門が違うため、自分が現場で“親方”となって工事を監督する。やりがいの大きい仕事だが責任も重い。
そこで大切なのはパートナー会社との絆だ。

パートナー会社の支えなくして仕事は進められない

遠藤には北海道機販入社以来20年に渡り現場で苦楽をともにしている“同士”がいる。

「ロードヒーティングの仕事はすべて現場でパートナー会社さんと一緒に仕事をして学びました。
今の自分があるのは皆さんのおかげで、本当に感謝しています」

職人気質で普段は寡黙な遠藤が、パートナー会社への思いを語る。

現場で苦楽をともにできる“同士”がいるから頑張れる

正確な現場施工は人々の安全につながる

遠藤が施工する現場は大胆かつ正確だ。
道路幅に合うように編み込んだヒーティングケーブルを、パートナー会社が“阿吽の呼吸”で手際よく道路に敷き詰めていく。
その仕事はとても効率的に進められる。

大胆かつ正確に作業が進められている現場

「電熱線の間隔にムラがあるのは絶対にダメです、発熱量が変わってしまうんですよ。
発熱量が変わると、想定した融雪に必要な性能が出なくなるから」

ヒーティングケーブルは、一本の電線を“すだれ状”に編み込んでシート形状にして使用する。
遠藤が描いた図面に従ってシート形状に編む作業は、パートナー会社の倉庫などで事前に行われる。
編み込んでシート状のユニットに完成したものを現場で展開して路面に敷き詰めていく。
当然、電線についたクセで反発などがあり、綺麗に敷設するには息の合った連携作業が必要だ。
それを手際よく隅々まで広げていく様は、まさに職人技と言える。

美しく編み込まれたヒーティングケーブル

「我々の仕事が人々の安全に貢献していると思っています。
綺麗に見えるかもしれないけどそれは工事の過程であって、一番大事なのは人々の安全を守るという結果です。
どれだけ技術が進歩しても、この作業は人の手による大胆な部分と細やかな部分が命です。
だからこそ、それを実現してくれるパートナー会社さんを頼りにしているし、とても信頼しています」

“雪国”北海道の安全を支える使命

北海道機販には、ロードヒーティング工事で長年の経験と施工実績がある。
早くて正確なその仕事ぶりから、お客様からの信頼も厚い。

「この仕事のやりがいは、住民や観光客の冬の安心と安全に貢献できているところですかね。
一度施工したら20年くらいは持つ設備だから、自分が施工したところが他の道路工事の影響とかで修理をすることもあるんだけど、それだけ長期に社会の役に立っていることを嬉しく感じたりもします」

人々の安全を願いながら現場を確認する

「ロードヒーティングは、工事が終わるとアスファルトの下に埋まって見えなくなるんだけど、街を歩いていても自分が施工した場所はしっかり覚えていますね。
目立たないですけど、確実に人々の役に立っている。
自分が今立っている場所で怪我をする人が減るなら、こんな嬉しい事はないと思っています」

ロードヒーティングの“エキスパート”となった遠藤の思いが、北海道の冬の安全と安心を守っている。

未来へ、遠藤の挑戦は続く

“雪国”北海道の美しさの裏には大変さもある

北海道機販では電熱式ロードヒーティングにおいて、長年積み重ねてきた施工実績によってお客様から信頼を頂き、修理補修はもちろん、古くなった設備の更新などの相談も受けている。
その一方で電熱式のロードヒーティングは「電気」を使う関係上、電気代が高くなった現在では新規で計画する際のハードルが高くなり、「温水式」にその座を奪われているという。

現場での苦労も多種多様。
ロードヒーティングの工事は夜間の作業になる事が多く、今回の取材時も繁華街ススキノが近い現場だったため多くの“ほろ酔い”のサラリーマンや観光客が行き交っていた。

ネオン眩しい深夜の繁華街で働く

「“酔っ払い”に絡まれたこともありますよ(笑)
工事をしていて、温かい言葉をかけてもらえることなんてまずありません。
道路を遮断しているから工事は迷惑だと思われていることがほとんどでしょうね。
でも、自分たちが作っているものが人の役に立っていると知っているから。
やりがいのある仕事だと思っています」

内に秘めた“北海道愛”を胸に「ロードヒーティングのエキスパート」遠藤の挑戦は続いていく。